「3+2=8」だった子が、自ら算数の法則を発見するようになった記録


「何度言っても、計算が身につかない」 「宿題をさせようとすると、最後は親子で泣いている」

そんな深い悩みを抱えて、当塾の門を叩いてくれた小学2年生のたけちゃんと、お母さん。 かつてのたけちゃんは、「3+2」という単純な計算に対しても「8」と答えてしまうほど、算数に対して強い苦手意識を持っていました

しかし、現在のたけちゃんはどうでしょうか。先日行われた授業では、目を輝かせて「算数の本質」を自ら掴み取っていく、小さな博士のような姿がありました。

「教え込む」のではなく「発見」を待つ関わり

私が大切にしているのは、単なる暗記ではありません。子どもが「あ、わかった!」と自ら気づく瞬間を、徹底的に待ち、寄り添うことです。

この日の授業では、2年生の学習内容である「掛け算(九九)」の先取り学習を行いました。たけちゃんはすでに2の段と5の段を完璧にマスターしていましたが、3の段に挑戦した際に、驚くべき「発見」をしたのです。

【実録】九九の法則を自力で見つけた瞬間

指導の際、私は単に式を並べるのではなく、「3個のおまんじゅうが乗ったお皿」という具体物の絵を描かせ、数と実体を結びつけることから始めました。まず「3×1の絵」を描かせ,答えが3になることを見つけさせます。つぎに「3×2の絵」を描かせ,答えが6になることを見つけさせるという方法です。たけちゃんが3の段の絵を書き進めていた時、私はある違和感に気づきました。彼が丸の数を数えるのではなく、「前の答え」をチラチラと確認しながら計算していたのです。

:「どうしてこっち(前の答え)を見たらわかるの? 」

たけちゃん:「この(前の)数字に、3だけ足したら(次の答えの)27になるってこと」

彼は、3の段では「かける数」が1つ増えるごとに、全体の数が「3」ずつ増えていくという掛け算のしくみを、誰に教わるでもなく自力で見つけ出したのです。 この考え方は本来3年生で学習する内容ですが、これまでの積み上げがあるたけちゃんは,自分の頭でルールを導き出したのです。

丁寧な指導の大切さ

この日は,3の段の学習の後,たし算の筆算の単元の学習も行いました。学校では,筆算の線を定規を使って書くように指導されることが多いです。たけちゃんは,少し細かな作業でつまずくことがあるので,学校ではなかなか時間がとれない定規の使い方について,丁寧に練習しました。

:「鉛筆ってちょっと太さがあるから、ちょうどのところに物差しを置くんじゃなくて、ちょっとだけ隙間を開けて書いたら正確な線になるんよ」

こうした丁寧な指導をした上で,実際に経験させることで,ひとつひとつ苦手なことを克服しているたけちゃんです。かつてはいびつだった丸の形や文字の大きさが、今では驚くほど整ってきました。

私は,算数を教えていますが,単にテストの点数を上げるためにしているつもりはありません。子どもが「自力で法則を発見する」感動を味わう場所,親御さんが「わが子の可能性」を再発見し、安心して見守れるようになる場所をめざしています。

これからも,たけちゃんの中にある「学びたい芽」を、丁寧に育てていきたいと思っています。

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