12回目のたけちゃんの教育相談を行いました
今回の内容は、
① 繰り上がりのあるたし算
② 繰り下がりのあるひき算
です。
繰り上がりのあるたし算:今は“スピードを伸ばす時期”
ご家庭で取り組んでいただいている「10枚計算カード」の記録を見せてもらうと、
なんと20秒台がズラリ!
先週は30秒台だったので、これは大きな成長です。
「タイムを測ると、子ども自身が“伸びた!”と実感できます」
もちろん、毎日タイムが縮まるわけではありません。
昨日より遅い日もありますし、そこで少しストレスを感じることもあるでしょう。でも、その“小さなストレス”がとても大事なのです。
悔しさ → もう一度挑戦 → できた!
この流れが、算数だけでなく学習全般の成長につながります。
これはまさに、
「個人内評価」を上手く活用した成長。
数値化を「ストレスになるから避けよう」と考える必要はありません。
大人が上手に使えば、子どもにとって強い味方になります。
繰り下がりのあるひき算:後半に出てくる“考え方の分岐点”
今回は教科書の後半にある問題に取り組みました。
問題:おかしが12こあります。3こたべると、のこりは何こですか。
つまり、12−3 の問題です。
「12−7」と「12−3」の違い、気づきますか?
これまでの繰り下がりでは、
- 12を「10 と 2」に分ける
- 10から7を引く
という方法で計算してきました。
しかし今回の「12−3」では,新しい考え方に教科書では触れています。
3は小さい数だから、まず“2をとる”という方法です。
つまり、
- 12 → 10 と 2
- まず2を取る(残り1)
- 残り1を10から取る → 9
という流れです。
ここで“くんれん型”と“思考型”の差がハッキリ出る
こういう問題をすると,その反応から「やり方だけを暗記して意味を考えずに計算の訓練を受けてきた子」か,「意味を考えて計算してきた子」かはっきり分かります。
やり方を暗記してきた子
「今まで“10から取る”って習ってきたのに!?どうすればいいの?」
→ ここで混乱します。
意味を考えてきた子
「3なら小さいから、2から取ってもいいんじゃない?」
→ 状況に合わせて柔軟に考えられる。
たけちゃんは“思考型”でした
ブロックを12こ出して尋ねました。
「どっちから3をとりたい?」
たけちゃんはすぐにこう言いました。
「まず2をとって,10の1をとる。そしたらさ,9って答えが一気にでてきた」
さらに続けて聞いてみると――
「どうして,これまでみたいに10から3とらないの?」
すると、
「自分の方法だったら足さなくていい」
と答えてくれました。
実は、10から3をとった場合は
2と7を足す手間が出てきます。
この違いを自分で理解して選んでいるのは、とても高度です。
子どもの「めんどくさい」は成長のきざし
今回、特に印象的だったのは、
これまでの10からとる方法についてたけちゃんが
「めんどくさい」
と言ったこと。
算数では、
「もっと楽にできる方法はないかな?」
と効率的な方法を考えることが大切な思考の一部です。
「めんどくさい」と言える子は、これから大きく伸びていきます。
おわりに:たけちゃんの“豊かな成長”を感じた回でした
今回の相談を通して、
たけちゃんが 数の概念をしっかり理解し、数感覚を豊かに育てていること を改めて感じました。
とっても順調です!これからのたけちゃんの成長も、本当に楽しみです。

