こんにちは。
今回は、アメリカで有名な心理学研究から見えてきた「4つの子育てスタイル」についてお話しします。
子どもと向き合う毎日。
叱ること、励ますこと、話を聞くこと…
どれも大切だと分かっていても、「結局どんな接し方がいちばんいいの?」と迷うこと、ありますよね。
そんな疑問に答えてくれるのが、
心理学者ダイアナ・バウマリンドが提唱した「4つの子育てスタイル」です。
🏠 4つの子育てスタイルとは?
研究では、親の関わり方を 「愛情(あたたかさ)」 と 「しつけ(コントロール)」 の2つの軸で分けました。
この2つのバランスの違いによって、次の4つのタイプに分かれます。
① 権威主義的スタイル(Authoritarian)
ルールを重んじる「厳しめ」タイプ。
「ダメなものはダメ」と厳しく接します。
このタイプの特徴は、「理由をほとんど説明しないこと」です。説明するよりも「言うことを聞きなさい!」と命令的になりがちで、
子どもは「自分の意見を言ってもムダ」と感じてしまうこともあります。。
📌子どもの傾向:まじめで努力家だけど、自己主張が苦手。
② 寛容的スタイル(Permissive)
やさしく包み込む「甘め」タイプ。
子供の気持ちを尊重するあまり、子供の方が立場が上になってしまうこともあります。
「今日は特別ね」が続いてしまうと、
子どもは「どこまでがOKなのか」分からなくなってしまうことも。
📌子どもの傾向:明るく自由だけど、我慢や切り替えが苦手。
③ 放任的スタイル(Neglectful)
忙しさなどで、子どもと関わる時間が減りがちなタイプ。
「ちゃんと見ているよ」と伝える機会が少なく、
子どもが「ぼくのこと気づいてる?」と感じやすいのが特徴です。
📌子どもの傾向:自分でなんとかしようとするけれど、内心は不安定。
🌟④ 権威的スタイル(Authoritative)
しつけと愛情のバランスが取れた、いちばん理想的なスタイル。
ルールはしっかり伝えるけれど、子どもの話にも耳を傾け、
「どうしてそう思うの?」「やってみた結果どうだった?」と、
一緒に考える姿勢を大切にします。
①との違いは,ルールを伝える際に,「理由を説明すること」。
②との違いは,子供と親では立場が違うことを明確にしていて,ルールなどをきちんと設定していること。
③との違いは,子供のことをしっかり見たり,意見を聞いたりすることを通して,子供と関わっていることです。
📌子どもの傾向:自分に自信があり、失敗しても立ち直る力がある。
💬親の関わり方の例:
「宿題してから遊ぼうね。先に終わらせたら、あとが楽だよ」
👉 子どもは「自分で選んでいる」と感じながら、
自然と行動できるようになります。
🌿 子どものやる気を育てる!
「4つの子育てスタイル」診断ワークシート
あなたの子育てスタイルはどのタイプ?
以下の質問に「はい」「いいえ」で答えてみましょう。
🏠 質問
No | 質問内容 | はい | いいえ |
---|---|---|---|
1 | 子どもにルールを伝えるとき、「どうしてそうするのか」を説明している。 | ☐ | ☐ |
2 | 子どもが失敗したとき、すぐに叱るよりまず話を聞くようにしている。 | ☐ | ☐ |
3 | 「言うことを聞きなさい!」と強く叱ることが多い。 | ☐ | ☐ |
4 | 子どもがやりたくないことは、基本的に無理にやらせない。 | ☐ | ☐ |
5 | 子どもの話を聞く時間より、指示する時間のほうが多い。 | ☐ | ☐ |
6 | 「まあいいか」とルールをあいまいにすることがある。 | ☐ | ☐ |
7 | 忙しくて、子どもの話をゆっくり聞く時間があまりない。 | ☐ | ☐ |
8 | 子どもが間違ったとき、どうすればよかったか一緒に考えるようにしている。 | ☐ | ☐ |
9 | 子どもの気持ちより、「正しいこと」を優先して指導する。 | ☐ | ☐ |
10 | 子どもの意見に「なるほど」と共感することが多い。 | ☐ | ☐ |
🌟 診断結果
- Aが多い(1・2・8・10) → 🟩 権威的スタイル(理想的)
愛情としつけのバランスが取れています。子どもは安心してチャレンジできます。 - Bが多い(3・5・9) → 🟥 権威主義的スタイル
厳しさ重視タイプ。ルールは大事ですが、子どもの気持ちを聞く時間を少し増やしましょう。 - Cが多い(4・6) → 🟨 寛容的スタイル
優しさたっぷり。ただ、ルールがあいまいだと子どもが迷ってしまうこともあります。 - Dが多い(7) → ⬜ 放任的スタイル
忙しさで距離ができているかもしれません。まずは1日5分、会話の時間を作ってみましょう。
💡研究が示す答え:
「厳しさ」と「共感」の両方がある関わりが、子どもを一番伸ばす
アメリカの数多くの研究では、
学力・社会性・自尊心、どの面でも最も良い結果を出したのが
この 「権威的スタイル」 でした。
「ダメなときはダメ」と伝えながら、
「どうしてそう思うの?」と気持ちも聞く。
このバランスこそが、子どものやる気スイッチを押す秘密です。
💬 子育てのヒント
✅ 「しつけ」と「共感」の両方がある子育て
子どもは「分かってもらえた」と感じたとき、ルールも受け入れやすくなります。
✅ 間違えてもOK!
子育ては毎日のやり取りの積み重ね。完璧を目指すより、少しずつ「対話の時間」を増やすことが大切です。
✨おわりに
子育ては、毎日の積み重ねです。
今日から少しだけ
「叱る前に、理由を聞く」
「言うだけでなく、考えを共有する」
——そんな“ひとこと”を意識するだけで、
親子の信頼関係はぐっと深まります。
そして、その積み重ねこそが、
子どもの「考える力」「やり抜く力」を育てていくのです。
🌸あなたの優しさと厳しさが、
お子さんの未来を支える最高の土台になります。