九九の学習を始めた1年生のたけちゃんですが,同時進行で,2年生の予習も行っています。今回は,2年生のはじめの単元でであう「たし算の筆算」の学習を行いました。
結論から言いますと,たけちゃんは何のひっかかりもなく,すらすらと2年生の筆算を理解していきました。今回は、その授業の様子をお届けします。
そこには、これまで私たちが大切に育んできた「ある力」の開花がありました。
1. 「ひっさん」って何? ―― 横から縦への大冒険
たけちゃんにとって、筆算はまだ見ぬ「お兄さんの勉強」でした。2年生の学習ですからね。
私はまず、筆算を「数字を縦に積み重ねる特別な形」として紹介しました。
私: 「筆算っていうのはね、こうやって 24を上、32を下に積み重ねて計算するやり方のこと。足し算(合わせる)っていうのは一緒だよ。」
2. 「10のまとまり」という最強の武器
なぜ、1年生が習っていない筆算をこれほどスムーズに解けるのか。それは、たけちゃんの頭の中に、当教室が最も大切にしている「10のまとまり」という概念が、強固な土台として根付いているからです。
たとえば、24 + 32 を計算するとき、たけちゃんの目には数字がこう見えています。
- 24: 10 の塊が 2 つと、バラが 4 個
- 32: 10 の塊が 3 つと、バラが 2 個
私: 「この 2 って、何が 2 本あるんだっけ?」
たけちゃん: 「10 の塊!」
私: 「正解。じゃあ、それを合わせたら 10 の塊は何個になる?」
たけちゃん: 「5個。それで50 だ!」
筆算の各列にある数字を単なる記号としてではなく、**「塊の数」と「バラの数」**として捉える。この「数の感覚」があるからこそ、桁が増えても迷うことがありません。
3. お母さんが気づいた「点と点が繋がった瞬間」
この授業の様子を見守っていたお母さんが、ハッとされた表情でこう仰いました。
お母さん: 「あの時、あんなに時間をかけて練習した『10のまとまり』が、今ここにこうやって繋がっているんですね……!」
そうです。お母さんがおっしゃっていたのは,1年生の夏休みに算数に困っているということでご相談いただいたときにお伝えした10のまとまりのことでした。今後の学習のことを考えて,毎日お母さんとマグネットゲームをしてもらったあの10のまとまりです。当時は一見、遠回りに見えたかもしれないその基礎練習が、今、2年生の学習内容を「当たり前のこと」として受け入れるための土台となっていたのです。「算数は積み上げの教科」とよく言いますが,このように過去の学習が本質的に理解できていると,新しい学習は案外簡単に理解できることが多いです。ただ,この本質的に理解するということは結構難しく,学校の授業だけでは十分ではないお子さんも教室には1~2割程度います。その子たちにも丁寧な学習を経験させることが私の今の役割です。
「あの時のあの勉強が、新しい学習の土台になっていたんだ」と気づかれたお母様の眼差しに、私も胸が熱くなりました。このように,点と点がつながって,教育の本質を感じる経験をすることはとても楽しいですし,そのお手伝いができたときは,私自身とてもうれしく感じます。授業の最後、たけちゃんは53 + 14 や 36 + 22 といった問題に次々と挑みました。
まとめ:大切なのは「積み上げ」の丁寧さ
算数は、階段のようなものです。
1年生の土台がしっかりしているからこそ、2年生の筆算という新しい段差も、軽々と飛び越えることができました。
機械的な「解き方の暗記」ではなく、「なぜそうなるのか」という本質の理解。
そして、その成長を「これまでの歩みのおかげだ」と喜んでくれる保護者の存在。
この積み上げこそが、算数を「苦行」から「面白い発見」へと変えてくれるのだと、改めて確信した一日でした。

