前回までに、たけちゃんの 「数のまとまり」、そして 「10のまとまり」 の理解を確かめてきました。
結果はこうでした。
- 数をまとまりとしてとらえられている
- ただし、中にはまだ十分イメージができていない数もある
つまり、基礎はできているけれど、まだ伸びしろがたっぷりある――そんな状態です。
ここからいよいよ、数の認識をもっと深めるステージに入ります。
数の認識を深める4つの方法
子どもが数をしっかり理解していくためには、大きく4つのアプローチがあります。
- 「数」と「イラスト」をつなげる
- 「数」と「ブロック」をつなげる
- 「数」と「図」をつなげる
- 「数」と「文」をつなげる
これまでご紹介してきた「じゃんけんゲーム」や「ブロックかくしゲーム」は、②の方法。
実際にブロックを手で触って動かすことで、数のイメージを育てる活動でした。
そして今回は、③の 「数」と「図」をつなげる アプローチに挑戦!
教科書に出てくる「丸図(ドット図)」
1年生の算数の教科書には「丸図(ドット図)」と呼ばれる図が登場します。
○(ドット)を並べて数を表したもので、ブロックと違って“触れない”分、イメージしづらい子も少なくありません。
「頭の中で数をイメージする」ことが苦手な子にとっては、ここがつまずきポイントになりやすいのです。
強い味方「クリア数図カード」
そこで今回使ったのが、こちらのアイテム。
👉 クリア数図カード(Amazonリンク)
このカードには2つの特長があります。
- 手で扱えるカード型なので、実際に操作できる
- **透明カードを重ねると答えが“見える”**仕組みになっている
この「見える化」が、子どもの理解をぐっと深めてくれるんです。
たけちゃん、実際に挑戦!
まずカードを並べるところからスタート。
「小さい順に並べてみてね」と伝えると、たけちゃんは迷わずスイスイと0から10まで並べられました。
→ この時点で、数の順序や量のイメージにはつまずきがないことが分かります。
次に「2と3のカード」を見せて、私がカードを重ねてみせました。
すると――透明カードの○が重なり、合計5個のドットがくっきり見えます。
「わぁ!5になった!」
たけちゃんの顔がパッと輝きました。
続いて「頭の中でやってみよう」とチャレンジ。
「1と2を合わせたら?」と聞くと、少し考えてから
「…3!」と即答。
そこで「カードを重ねて確かめてみよう」と促すと、本当に3になっているのを自分の目で確認できました。
この「頭の中でイメージする → 実際に見て確かめる」の往復こそ、数の理解を深める大切なプロセス。
こうした体験を積み重ねることで、数の概念はどんどん揺るぎないものになっていきます。
今後の取り組み
クリア数図カードは、ただ“数を数える”道具ではありません。
「実際に手で扱えて、しかも答えが見える」――この仕組みが、子どもの「なるほど!」を引き出してくれます。
これからも、このカードを継続的に使いながら、たけちゃんの数の世界をもっと豊かにしていきたいと思います。
次回は、このカードを使ったさらなる工夫をご紹介します。どうぞお楽しみに!