たけちゃんと見つけた「ものさしの秘密」
17回目のたけちゃんの教育相談です。
今日は、たけちゃんとの授業で行った「細かすぎる」支援を皆さんにお伝えします。
今日取り組んだのは,数直線です。
教科書でよく見る、数字が等間隔にならんだあの「目盛りの線」。 実はこれ、ただの線ではないんです。数直線を学習する意義をまずお伝えします。
1. 数字の「大きさ」がパッと目で見てわかる
1年生にとって、数字はまだ「記号」のようなもの。「7」と「9」と言われても、どちらがどれくらい大きいのか、頭の中だけでイメージするのは意外と難しいのです。
数直線を使うと、数字が**「場所」**として現れます。
- 右に行けば行くほど、大きくなる。
- 左に行けば行くほど、小さくなる。
「9は7よりも右にあるから大きいんだね!」と、量としてのボリューム感を視覚的にキャッチできるようになります。これが、数の感覚(数感)を養う第一歩です。
2. 「あといくつ?」の感覚が身につく
算数でつまずきやすいのが、「8は10まであといくつ?」といった、数字のあいだを埋める考え方です。
数直線の目盛りをトントンと指で跳ねるように数えることで、**「あと2つ進めば10になるんだ!」**という距離感がつかめます。
3. 「ものさし」や「時計」の基礎になる
実は、数直線は形を変えて、私たちの生活のあちこちに隠れています。
- 2年生で習う「長さ(ものさし)」
- 3年生以降で苦戦する子が多い「時間の長さ(時計の針の動き)」
- さらに学年が上がってからの「グラフ」や「割合」
これらはすべて、「線を等間隔に区切って考える」という数直線の考え方がベースになっています。1年生のうちに数直線と仲良くなっておくと、将来の算数で「あ、これ数直線と同じだ!」と気づけるようになるのです。
そんな数直線を今回は学びました。たけちゃんは一生懸命に数字を探していました。
私: 「たけちゃんなんでこれ 46 だと思ったの?」
たけちゃん: 「ここからやってみたらさ、 6 だった」
しっかり数えられたたけちゃん。ここで私は、ある「違和感」に注目してもらいました。
私: 「6 の 1 個前の 5 やんか。他とちょっと違うところわかる? 何が違う?」
たけちゃん: 「なんかちっちゃいのと長いのがある。 5 は長い!」
そう、ものさしの目盛りにある「5」の線。 たけちゃんは自分のものさしを引っ張り出して、一生懸命確認します。最初は「全部同じに見えるよ」と言っていたけれど、じーっと観察するうちに……。5だけ,他の線よりも長いことに気付きました。
「目盛りの長さが違うのは、数えやすくするための工夫なんだ!」 この大発見をした瞬間、たけちゃんの目の輝きが変わりました。
「1、2、3……」から卒業!5から数えるワザ
5の線が長いとわかれば、しめたもの。 「1」から順番に数えなくても、「5」からスタートすればもっと早く数えられることに気づきます。
私: 「5 から 1 個いってるから 6。そんな風に、ちょっと長いところから 5、6、7……って数える方法を知ってたら、ちょっと早く数えられるよ」
人は,視点がなければ,見ているようでも認識していません。今回のたけちゃんも「線の長さ」という視点を与えたからこそ,他との違いに気づきました。このように,視点は与え,子供が自ら見出すことが,大切です。
たかが,目盛りと思われるかもしれませんが,こういう細やかなことについても,丁寧に支援することで,子供たちの学びは確かになっていきます。
数字のジャンプ!「10とび」の冒険
授業はさらに進み、大きな数の学習へ。
その中で出てくる「10のまとまり」を囲む作業は、大人には簡単でも子供には難しさがあります。
一生懸命に鉛筆を動かして「10の固まり」を囲んでいくたけちゃん。 「スタート地点に戻ってこないと、囲んだことにならないんだよ」と、指でなぞりながら一緒に確認しました。
私: 「ここがスタートだったら、スタートに帰ってこなきゃいけないんだよね。もう一回行くよ」
たけちゃん: 「(ぐるっと囲んで)……完璧!」
💡 今日の子育てヒント
今回は,ものさしの数え方や,10のまとまりの囲み方という細かな内容をお伝えしました。
ただ,このような細かく丁寧な支援が基盤となって,子供たちの考える力がよりよく発揮されると思っています。
皆さんもぜひ、お家にある「ものさし」をじっくりお子さんと眺めてみてください。 「あ!ここだけ長い!」 その気づきが、算数大好きへの第一歩かもしれません。


